QI4U in 大町BASE 「”量子”でえらぶ おかしのつめあわせ」 を開催しました
子供たちにも先端技術をもっと身近に感じてもらいたい!
1月中旬にプラス仙台プロジェクトが運営する子ども食堂 大町BASEにお邪魔して、子供たちに向けて、QI4Uイベント「”量子”でえらぶ おかしのつめあわせ」を実施させてもらいました!
大町BASEには、小さな駄菓子屋さんがあって、普段から子供たちが利用しています。
今回はそんな駄菓子屋さんのお菓子を利用して、子供たちに合った「おかしのつめあわせ」を量子アニーリングによって決めてもらうイベントになっています!
子供たちが自分たちで作った看板
大町BASE 駄菓子屋さんの様子 このレポートでは、子供たちにはどんな体験になったのかお届けします!
ひみつのアンケートに答えてもらう?
普段通り大町BASEに来てもらった子供たちに今日はこのアンケートをこたえてもらうよ!と言って事前にアンケートに答えてもらいました。
例えば、「元気になりたい時に食べたいおかしは?」といった質問で「からい」「すっぱい」「甘い」「しょっぱい」の4つの選択肢から選んでもらいました。
ほかにも「あそぶならどこであそびたい?」「休みの日にすることは?」などお菓子とは関係のない質問も合わせて10問ほど回答してもらいました!
子供達も「どれがいいかな」と考えて、楽しみながら答えてくれていました!
さて、アンケートの回答をどうやって「おかしのつめあわせ」にしてもらうのでしょうか?
おかしのつめ合わせを「最適化問題」で!
仮に200円持っていて、それを目一杯満足に食べたいとき、どんなお菓子を選べばいいかな? イベントでは、そんなシチュエーションを考えてみました!
たくさんのお菓子の種類の中から自分の好きなお菓子でいっぱいにしたいという思いが子供達にも伝わって、どうしたらいいんだろうと想像を膨らませていました!

ここで少しだけ「最適化」という技術の中身の話をしましょう。
今回はお金(200円)と詰め合わせなのでお菓子をつめる袋(福袋)が用意されています。
こうした入れるものの容量や金額が決まっている問題を数理最適化の分野では「ナップサック問題」と呼ばれています。
そこで今回はおかしのつめあわせをナップサック問題で考えることにしました。
例えば、「すべての購入するお菓子の金額を合わせたら200円以内になる」「袋の大 きさは500以下である」などを数式で記述します。これを今回は「つめあわせの制約」と言うことにします。
この数式を素早く解いてもらうにはどうしたらいいか?
それは、「量子のイウトオリ」、量子アニーリングに実行してもらいましょう!
実際に量子アニーリングを使って最適化!
イベントのメイントピックである”量子”を利用して、その子に合ったお菓子の詰め合わせをしてもらいましょう!
今回は、量子アニーリングを利用して最適化を実行します!
量子アニーリングとは、ひとことで言うと、「組み合わせがたくさん考えられる中から、一番条件にあった組み合わせを出してくれる」コンピュータです。
まさにナップサック問題のような組み合わせを探すような問題に向いています!
さらに今回は、子供たちのアンケート利用したお菓子との相性も考えてみました。
すべてのお菓子にも事前にアンケート項目に合わせて、レベルをつけておきました。
これによってお菓子と子供たちに答えてもらったアンケートとの相性をさきほどの「つめあわせの制約」と合わせて数式にしていきます。
この数式を量子アニーリングに渡すことで、計算されその子に一番あったお菓子の詰め合わせが出力されます!
アプリで実行!
今回は、実行する際に子供たちのアンケート結果をアプリに入れることで、つめあわせを見える化しました! 量子アニーリングで途中の計算をしていますが、ほんの数秒で結果が得られるため、子供たちからは「わーはやい!」「すぐだ!!」とかなり盛り上がりました!
こどもたちのアンケートの入力やふくろの大きさ、おこづかいの設定画面
量子アニーリングの結果からゲストさんに合ったお菓子の詰め合わせを表示
実際に作ってみた「おかしのつめあわせ」
実際に出力されたみんなの「おかしのつめあわせ」をもとに駄菓子屋から福袋に詰めて、子供たちにプレゼントしました!
「やったー、お菓子が食べれる!」と子供たちもものすごく嬉しい顔をしてくれました!
ただ、今回のつめあわせはアンケートや量子アニーリングの実行結果によって変わってしまうので、必ずしもほしいお菓子が入るとは限りません。
そこに最初は戸惑ってしまう子供たちも多くいました。
でも、そこは子供たち自身もほしいものがなかった子がいると、「お菓子を交換する?」、「じゃあ好きなお菓子持ってるから、一緒に食べよう!」と言って一緒に食 べていたりしていてたくましく感じました。
技術がきっかけではありましたが、そこから生まれた子供たちの助け合いや工夫する姿を見て、運営側も「技術だけでなく、人と関わることで学べる温かさ」を改めて子供たちから教わったと思います。


企画・準備をしてくれた学生の声
- 量子アニーリングによって出力されたお菓子の配分結果を見て、「やったー!」「いいな~」などと盛り上がっていて、ほほえましく感じました。子どもたちにどれくらい伝わったかは分からないですが、少しでも量子のこと、量子アニーリングのことにに興味を持つきっかけになっていたらうれしいです。(東北大学 医学部 学部2年 竹田陽)
- 最適化の結果では納得していない子もいましたが、そこも含めて揺らぎのある”量子”らしさのようなものを感じました。今までにない未知の体験ができて、とても充実した時間を過ごすことができました。(東北大学 工学部 学部1年 安藤路真)
- 今回、ある企画に参加し、非常に多くの学びを得ることができました。量子アニーリングを用いたプログラミング自体はこれまでにも何度か経験してきましたが、理論と現実の間にあるギャップをこれほど強く実感したのは今回が初めてでした。今回の経験を通じて、量子アニーリングの可能性だけでなく、状況に応じて柔軟に対応できる人間の強みを改めて実感しました。(東北大学大学院大関研究室 藤原航希)

技術にご興味を持たれた方へ
今回の記事で数理最適化、量子アニーリングにご興味を持たれた方がいれば、こちらのドキュメントもご覧ください!(数式による説明もあります。)
これからもイベントを通じて
今回は夏に開催したイベントについで、2回目の実施になります。
子供たちに量子アニーリングといった先端技術に身近に感じてもらうことだけでなく、好奇心を持って理解しようとしてくれるところに毎回うれしく思います。また、うまくいかないときでも自分たちで考えて動いてくれる子供たちのたくましさに心打たれています。
一緒に企画してくれた学生も子供たちと触れ合う機会が少ない中で良い経験になったと思います。
また、今回も貴重な機会をいただいたプラス仙台プロジェクト 佐藤様にはこの場を借りて、感謝申しあげます。ありがとうございました!
イベントは、今後もプラス仙台プロジェクト様を通じて、Quantum Universeの活動の一環として継続的に実施していく予定です。
企画:東北大学大学院 大関研究室 安部央人、吉原拓磨
記事:東北大学大学院 大関研究室 吉原拓磨
写真:プラス仙台プロジェクト 佐藤里麻様