QI4U in Italy 2026 集合写真

イタリア 開催レポート

QI4U in Italy 2026(2026年2月2日 - 2月4日)

イタリアにて QI4U ワークショップを開催しました(2/2–2/4)

イタリアで量子技術の可能性、特に量子アニーリングの社会実装の可能性を広めること、これまでにない量子アニーリングの可能性の模索を目的として、イタリアはローマでのQI4Uワークショップを企画・準備しました。私は、学生リーダーを担当しました。
本レポートでは、イベントの概要と3日間の取り組みと成果を紹介します。拙い文章ではありますが、読んでいただけますと幸いです。

QI4U Expo シリーズ初陣!

2026年2月2日から4日にかけて、イタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学(以降はローマ大学と記載)で Quantum Infinity for You in Italy: From HPC to Quantum Computing を開催しました。本Expoシリーズの初陣ということで、何が必要で何が不要なのか、手探りの中で企画・準備を進めました。ミラノで行われていた冬季オリンピックを標的としたサイバー攻撃にローマ大学も影響を受けるというレアイベントにも遭遇しました。てんやわんやになりながら気がつけばイベント初日となっていました。

開催地のローマ大学は、名前の通りイタリアの首都ローマに位置する国立大学です。その起源はイタリアのみならず欧州でも屈指の歴史を持ち、中世時代の1303年にまで遡ります。ローマ大学には、2021年にノーベル物理学賞を受賞したジョルジョ・パリージ先生が在籍されており、大関さんの古巣でもあります。このようなゆかりある場所で本ワークショップを開催出来たことを嬉しく思います。

ワークショップには、ローマ大学の学生のみならず、近隣の大学の学生も参加してくれました。参加者の属性も多岐に渡り、物理学科の学生を中心に、様々なバックグラウンドの学生が参加してくれました。

集合写真
集合写真

1日目:統計物理学と量子アニーリングに関する講演・講義

イベント初日には、まず、ローマ大学の Federico Ricci-Tersenghi 教授から、今回のExpoシリーズについて紹介をしていただき、その後に物理学者から見る組合せ最適化問題の面白さについて講演をしていただきました。

ローマ大学 Federico Ricci-Tersenghi 教授の講演の様子
ローマ大学 Federico Ricci-Tersenghi 教授の講演の様子

大関さんからは、量子アニーリングについて、特に社会課題に対して量子アニーリングを適用した研究事例について講演をしていただきました。流通・交通制御といったテーマのみならず、化学材料の探索、果物の糖度推定やフォトモザイクアートなど多岐に渡る内容を参加者に知っていただきました。「理論物理学者でも金を稼げる!」という宣言は、イタリアの物理学徒に大きな希望を与えたと思います(?)。

大関さんの講演の様子
大関さんの講演の様子

我々学生メンバーからは、森田くんがシミュレーテッド・アニーリングと量子アニーリングの原理についての講義を行いました。土井、會田くんからは「数分割問題」や「ナーススケジューリング問題」など具体的な組合せ最適化問題の定式化について、尾崎くんからは発展的な内容として量子アニーリングを用いたブラックボックス最適化についての講義を実施しました。時にはプログラムコードをスクリーンに表示させながら講義を行いました。講演や講義での質疑応答の時間では、活発に質問が出ており、大変な盛り上がりを見せていました。1日目の最後には、2日目以降のグループワークのグループを決め、グループワークの課題としてどのようなことに取り組むのか考えながら初日終えました。

森田くんによる講義セッションの様子
森田くんによる講義セッションの様子
土井による講義セッションの様子
土井による講義セッションの様子
會田くんによる講義セッションの様子
會田くんによる講義セッションの様子
尾崎くんによる講義セッションの様子
尾崎くんによる講義セッションの様子

2日目:グループワーク

2日目は、完全なグループワーク形式で、1グループ3-4人の参加者+1人の我々学生メンバーに分かれ、アイデア出し・プログラム開発を行いました。テーマ設定、問題設定の定義に苦戦するかと思っていましたが、どのチームもすんなりテーマが決まり、具体的な問題の定式化に移行することが出来ました。

定式化については、1日目の講義を参考にしながら、ああでもないこうでもないと参加者同士で黒板を使いながら議論を進めました。グループワークでは、参加者の多くはおそらく初対面同士であるにも関わらず、自分の意見や考えていることを遠慮することなく表現するという姿勢を側から見ており、我々も見習うべき姿勢だなぁと感じました。イタリアの方は初対面の人とも円滑に議論を進める特殊訓練でも受けているのでしょうか。

2日目の終わり頃には、各チーム何とか形になりそうなところまでプログラムの実装を進め、最終発表に向けてあとはラストスパートと心持ちで帰路につくのでした。

グループワークの様子
グループワークの様子

3日目:最終発表会

3日目は、午前中にラストスパートでプログラムの完成、結果の整理、発表スライドの作成を行い、午後から最終発表会でした。各グループ役割分担をしながら、限られた時間の中で発表に間に合わせるべく粘り強く取り組んでいました。各グループのテーマは以下の通りです。

  • グループ1: 学校の時間割の最適化
  • グループ2: ポートフォリオ最適化
  • グループ3: ローマの電車のルーティングとスケジューリング最適化
  • グループ4: 研究資源割り当ての最適化

各チームで、身近な人の負担を軽減したい、日常生活で問題意識を感じていたテーマに取り組んでおり、テーマに対する愛着のようなものを感じました。全チームのクオリティが本当に高かったのですが、アニメーションまで作成しているチームがいたことには大変驚きました。正直、3日間(実質的なグループワークの時間はたったの1日半ぐらい!)でここまで到達出来ると我々も想定していませんでした。

冒頭でも記載したようにイタリアでは本Expoシリーズのトップバッターだったのですが、Zoomで最終発表を聞いていた他国担当の研究室メンバーにはクオリティの高さで大きなプレッシャーをかけていたようです。最後に全員で集合写真を撮影したり、各チームで撮影した後に3日間のワークショップは終了しました。

グループ1の最終発表
グループ1
グループ2の最終発表
グループ2
グループ3の最終発表
グループ3
グループ4の最終発表
グループ4

最後に

今回のイベントは多くの方のご協力があり成立しました。まずは、今回のワークショップを開催を快く受け入れてくださり、会場の手配、講演までご協力いただいたローマ大学の Federico Ricci-Tersenghi 教授に深く感謝いたします。また、Federico Ricci-Tersenghi 教授のグループの皆さんには、ワークショップの告知のみならず、我々学生メンバーの滞在を大変親身にサポートしていただきました。

東北大学・東京科学大学からは合計4名の学生メンバーが現地で本イベントの運営や調整を行いました。大関研究室の森田くん、會田くん、尾崎くんには、直前まで決まらないことが多かったりでご迷惑をおかけしたと思いますが、一人一人の自分の強みを活かした活躍に大変助けられました。

そして最後まで辛抱しながら見守ってくださった大関さん、本多さん、本当にありがとうございました。

大関研メンバー集合写真
大関研メンバー集合写真